西洋種はβ-カロテン、東洋種にはリコピンで血圧を下げる「にんじん」

βカロテンは、強力な抗酸化力

にんじんは、高血圧の予防に有効なβカロテンを豊富に含んでいます。しかも、その含有量は100g当たり9100μgと、野菜のなかでもトップクラス。最近では「陽明五寸」や「ベータリッチ」など、食味がよくカロテン含有量の多い新品種の開発もすすんでいるそうです。
ちなみに、にんじんのβ-カロテンは上部のほうにたくさん含まれています。上部はついつい切り落としてしまいがちですが、余すところなく使い切るようにしたほうがお得です。

京野菜の「金時」にはリコピンが豊富

にんじんは西洋種と東洋種に分けられますが、私たちがふだん料理用に使ったりにんじんジュースの原料になっているのは西洋種です。西洋種は鮮やかなオレンジ色で、これはカロテンがたっぷりと含まれている証しでもあります。
これに対し、日本の伝統野菜である京野菜にんじんの「金時」は東洋種。西洋にんじんのオレンジに対し、こちらはどちらかといえば赤い色をしていますが、これはカロテンではなく、リコピンが多く含まれていることをあらわしています。リコピンはトマトなどにも含まれる赤色色素で、カロテンの20倍にもおよぶ抗酸化作用をもつといわれる成分。動脈硬化やがんを予防するファイトケミカルとして、近年大きな注目を浴びています。
ライオンからはトクホのトマト酢生活という商品が販売されており、これもリコピンの作用を利用した血圧を下げるための健康食品です。
毎年、血圧が高いと指摘されているビジネスマンはこうした野菜の抗酸化力に頼ると体の緊張がとけて調子もよくなるでしょう。野菜をたくさん食べる習慣を意識するとさらに降圧効果は高まり、血管も若返ります。

ビタミンCやカリウムも豊富

さらに、にんじんにはストレスに有効なビタミンC、ナトリウムの排泄に欠かせないカリウム、余分なコレステロールを排泄する水溶性食物繊維など、高血圧の改善に有効な成分が盛りだくさんです。お煮しめや妙め物、サラダやジュースなど、食生活にどんどん取り入れるようにしましょう。
ちなみに、有効成分のβ-カロテンやビタミンC は皮の近くにたくさん含まれていますので、皮をむかずに料理するとよいでしょう。また、にんじんの葉にもたっぷりとビタミンCが含まれますので、葉っぱつきの物ならさらにおすすめです。

にんじん・βカロテン関連サイト