伝統野菜の底力
れんこんは、中国やインド、あるいはエジプトからやってきたとされる外国渡来の野菜ですが、なますや熊本名産の「からしれんこん」など、日本的な食材として大変おなじみです。れんこんにはビタミンC が豊富に含まれています。ビタミンCはコラーゲンの生成を促して血管や神経を強くする働きがあります。そのため、動脈硬化がすすんでボロボロになつた血管を修復して、血圧、の上昇を抑えるのに効果的です。
またビタミンCはストレスに対処するホルモンの材料でもあり、ストレス改善には欠かせない栄養素です。ストレスは血管を収縮させるので、高血圧が促進してしまいます。ビタミンCをたっぷり摂取して、ストレスを撃退しましょう。
血圧を下げるタンニン
れんこんを切ると、切り口が褐色に変化します。これは、切り口にタンニンという物質が出てくるため。この褐色色素のタンニンは、緑茶にも含まれるポリフェノールの一種で、胃腸のトラブルに効果を発揮するといわれる成分ですが、脂質などの変化を抑える抗酸化作用や血管の浸透性を高めて血圧を下げる効果もあるため、高血圧の予防にも有効です。
ちなみに、れんこんが切り口から褐変するのは、タンニンがポリフェノールオキシダーゼという酵素によって酸化されるためです。褐変を抑えてタンニンを効率よくとるには、酢水にさらして空気に触れないようにするとよいでしょう。
カリウム、食物繊維も含まれる
また、れんこんには食塩中のナトリウムを排泄するカリウムや腸内環境を整えて便秘を改善する食物繊維も豊富に含まれています。れんこんの食物繊維には、腸の動きを活発にする不溶性のヘミセルロース、それにコレステロールを排泄して動脈硬化を抑える水溶性のペクチンなどがあります。いずれも高血圧の予防・改善に、大変役立つ成分です。