豊富な食物繊維がナトリウムを排泄「ごぼう」

食物繊維の王様

筑前煮やきんぴらなど、私たち日本人に古くから親しまれてきたごぼう。エネルギーも低く、こりこりとした食感を楽しんでついつい食べ過ぎてしまったら、なんだかおなかがゴロゴロ…なんていう経験をおもちの方も多いのではないでしょうか。また、2~3日音沙汰がないときには、決まってきんぴらごぼうを食べると翌日にはしっかり…という人も多いかもしれません。

これは、ごぼうに含まれる食物繊維のなせるワザ。ごぼうには体内で消化吸収されない食物繊維が大変豊富に含まれているのです。
たとえば不溶性食物繊維のリグニン、ヘミセルロース。これらはそれ自体には目立った栄養素はありませんが、大腸のぜん動運動を活発にして便通をよくするという働きがあります。
音沙汰がないときにゴボウで解消されるのは、この不溶性食物繊維「リグニン」や「ヘミセルロース」のおかげなのです。

便通を改善することは肥満の解消にもつながり、高血圧による合併症の予防に大変役立ちます。血圧が割と高い値で安定してしまっている人は、減塩よりも便秘の解消で血圧が下がるケースが多々あります。

食物繊維のなかでも、最近とくに注目を集めているのがリグニン。腸内環境をよくして有害物質を排泄するため、大腸がんの予防にも期待が寄せられています。

食物繊維イヌリンの効果

さて、ごぼうにはリグニンやヘミセルロースといった不溶性食物繊維のほかに、水溶性食物繊維のイヌリンも含まれています。イヌリンはLDLコレステロールを排泄する働きがあるほか、血糖値の急激な上昇を抑える作用があります。
このため、動脈硬化に加えて糖尿病が心配される人にも有効です。糖尿病と高血圧が重なると合併症の進行がさらに深刻になります。ごぼうを食べてしっかり予防しましょう。ちなみに、イヌリンは腎機能を高めて利尿作用を促進してくれます。利尿作用が促されると余分なナトリウムの排泄も促され、高血圧の改善に役立ちます。

血圧を下げるカリウム、マグネシウムなどのミネラルも豊富

また、ごぼうには食塩の排泄を促すカリウム、カルシウムに関与して血圧をコントロールするマグネシウムも含まれています。いずれも血圧の上昇を抑える大事なミネラル。高血圧予防に大変効果的です。

ごぼうは下処理が少し面倒なので、忙しい、子育てで時間がない…そんな人にはごぼう茶なんかで代用することもできます。
便秘と高血圧を一挙に解消できるゴボウは現代人必須の食物繊維です。