日常生活で気をつける事

高血圧の人にとって一番大事なのが食事療法ですが、同じように日常生活の過ごし方も大切になります。かといって、細かく考えすぎると逆に調子が悪くなってしまうかもしれないので、それほど神経質になることはありません。ただ、やはり血圧が高い人は、注意しておかなければならないことがいくつかあるので、食事以外の、日常生活の中で気をつけたい事をみてみましょう。

たっぷり睡眠をとる

高血圧の人でも、睡眠中には、血圧が普通の人と同じような状態にあります。睡眠をとると、血圧は下がるというわけです。高血圧の程度が軽い人の場合には、睡眠をじゅうぶんにとるようにすれば、降圧剤を服用しなくても、普通の人と変わらない生活をおくることができます。実際にじゅうぶんな睡眠時間を確保することが難しいこともあるでしょうが、高血圧の人は、できるだけたっぷり睡眠をとるようにしましょう。

昼寝ではなく夜間睡眠をとる、しかも熟睡することが本来の自然のリズムに適応していることになるのですが、夜に眠りにくいような人や仕事の都合で夜眠れないというような人は、日中でも1時間くらいの睡眠をとりたいものです。

また、眠れないとしても、寝ている(体を横にしている)だけでも、多少血圧は下がります。これは、安静にしていると下がるということです。それから、夜更かしは、極力さけるように気をつけましょう。

便秘を予防する

便秘をしないということは、さまざまな病気においても、また健康な人にとっても大切なことですが、高血圧の人は特に注意したいものです。排便時にいきむことによって、血圧が上がることになります。

便通を良くし、便秘を防ぐために、次に挙げるようなことを心がけましょう。

  1. 毎朝、一定の時間に排便する習慣をつける。
  2. 生活のリズムを崩さないようにする。
  3. 食物繊維や良質な脂肪を摂る。
  4. 適当な運動をする。
  5. 腹部のマッサージを行う。

体を冷やさない

血圧の高い人にとっては、寒冷から身を守るように生活するのも大切なことです。冬の寒い時期はもちろんのこと、季節の変わり目にも注意しましょう。寒冷にさらされると、血管が収縮して血圧が上がり、症状が悪化する恐れがあります。

人間の皮膚は気温などの変化に敏感に反応し、寒さや冷たさを感じると体表面の細動脈や毛穴が収縮して発汗量が減ります。これは体温が失われるのを防ぐための作用で、このとき血圧が上がります。高血圧の人は普通の人以上に注意が必要で、屋外だけでなく屋内でも寒冷から身を守る工夫も必要です。

冬の外出時にはマスクや手袋・マフラーなどを着用し防寒する、寝室を暖かくして寝る、洗面や水仕事のときは温水を使う、などが、自分でできる寒冷対策です。