神経が血圧を調節する
心臓や血管の働きを支配しているのは自律神経で、この自律神経が働いているおかげで、臓器や血管は眠っている間でも活動しています。
自律神経には交感神経と副交感神経があります。交感神経は心臓の働きを高め、副交感神経は反対に心臓の働きを抑えるよう作用しています。ですから、交感神経が作用すると、心臓の働きが高まって脈拍が速くなり、血圧が上がることになります。副交感神経が作用した場合には、心臓の働きが抑えられ、脈拍が少なく遅くなって、血圧が下がります。
自律神経は脳中枢とは別の独立した神経ですが、自律神経系の中枢は脳の視床下部にあって、神経路は脳幹から脊髄へと下り、やがて末梢の交感神経と副交感神経になります。こうして、脳や脊髄の神経とも連絡しています。血管に対しては、細動脈の拡張と収縮を支配し、血圧や血流を調節しているのです。
興奮することで血圧が上昇する
自律神経系の中枢は視床下部にあるのですが、この視床下部では、大脳の働きである怒りや悲しみ、不安、恐怖といった感情が形成されます。私たちがこういった感情の状態になったとき、中枢の興奮が末梢の交感神経に伝わって、血圧が上がります。ただ、一時的な現象なので感情が落ち着くと血圧は元にもどりますが、感情の高まりが頻繁に起きたり、長く持続する人では、血圧には良くない結果となります。
興奮すると血圧に悪いと昔からいわれますが、やはり、血圧が高い人は注意しなければなりません。
欲求不満でも血圧が上がる
怒りや悲しみといった感情は、何らかの欲求不満があるために起こるとも考えられます。人間は本能的に精神的欲求や物質的欲求をもっていますが、この欲求が満たされない時に、怒りや悲しみのような感情が起こります。実際に思うようにいかないことがかなり多いものです。欲求不満から不快感が生まれると、その不快感を無くそうと新たな欲求が起こり、また新たな欲求不満が起こることにもなります。
この欲求不満が原因となって、精神の葛藤が激しくなり、その結果血圧の動揺が激しくなったり、血圧上昇の状態が続いたりします。高血圧の人にとって、これは良くない状態ですから、できるだけ無くすようにしたいものです。しかし、人間である以上なかなか大変なことですが、少なくしようとすることは可能です。それだけでも、かなり精神の安定をはかれるでしょう。
そして、欲求不満を解消することも大切なことです。
入浴がストレスを解消するにとても役に立ちます。
仕事で疲れたらぬるめのお湯にゆったりとつかることでリラックスができます。少し面倒でも湯船に入るのがおすすめです。