運動で肥満や動脈硬化を防ぐ
血圧が高い人は、適度に運動したほうがよいと一般的にいわれています。運動することが、肥満を防いで動脈硬化の予防にもなるからです。運動をすると、カロリーが消費され体重は減ります。心臓の負担が軽くなり、肥満防止にも役立つことになります。
運動をすることで、多かれ少なかれ血圧は上がります。筋肉を使うのでエネルギーを消耗するのですが、筋肉を使うためにはたくさんの血液を消費することになります。
血液には常に0.1パーセントの糖分が含まれていますが、おもに肝臓に蓄えられている分からブドウ糖として供給されます。これを血糖といいますが、運動では血糖を燃焼・消費するので、運動をすると血糖量が減少します。血糖が体内で燃焼するためには酸素が必要ですが、運動量が多いと血糖や酸素がたくさん消費されるので、酸素が足りなくなります。酸素不足で呼吸が苦しくなり、じゅうぶんに燃焼作用が行われなくなって筋肉には乳酸がたまるようになります。そして、その結果として、疲労が起こります。
心臓は運動によって余分に消費される血液を供給しなければならないので、肺から酸素をたくさん取り入れ新鮮な血液に変えて送り出します。これにより心臓がたくさん働くようになって血圧が上がります。
血圧が高いのは体の調子が良くないことなので、運動量や程度を調節したり、休息をしっかりとって疲労をためないようにしましょう。
高血圧の人に適した運動とは
高血圧の人にとって、運動することは、血圧を上げ、疲労を伴うという厳しい面もありますが、健康維持や筋肉の退化を防止するといった効用があります。また、気分転換にも役立ちます。高血圧に悪影響を及ぼす精神の緊張を解消するのに良い方法です。疲れない程度に、軽めの運動をするのが良いでしょう。
高血圧の人に適した運動は、一定の速度を保った散歩、手足の屈伸や体をねじる体操、なわとび、ボートを漕ぐような運動などが考えられます。マラソンや野球、テニスなど体力を激しく消耗するような運動は避けなければいけません。また、寒冷にさらされるため、ウインタースポーツも避けたほうがよいでしょう。