合理的に栄養を摂る
私たちは、生命を維持し、健康を維持し、活動を持続するために、食物から栄養を摂っています。体内に栄養素をとり入れることによって生活しています。生活していくためには、ほかにも睡眠などの不可欠な要素がありますが、食べるということは人間以外の生物にとっても必要な条件です。食生活が私たちの生活にとって重要なものである以上、食生活にはじゅうぶんに関心を払いたいものです。
食物には、栄養素だけが含まれているわけではなく、有害な物質だったり、エネルギー化されないような物質も含まれています。ですから、食べたいものを食べてさえいればよい、ということではありません。もしも有害な物質を多く含んでいるものばかり食べていたとしたら、健康は害されることになるのです。また、エネルギー化されないような意味の無いものばかりたくさん食べていたのでは、活動に支障が出ることもあります。
同じ人間でありながら、いつまでも健康で長生きする人もいれば、体のどこかが病におかされ不幸にも短い人生を終える人もいます。この結果は、もちろんほかに何らかの原因があることもありますが、それぞれの食生活の違いが大きく影響しているのです。食物の摂り方には、質・量ともに個人差があるわけですから、長い年月が経過する間に健康状態の差が生じるのは当然のことです。
健康を維持できるような食生活を送るためには、合理的な食事をすることが大事です。
高血圧の食事療法
体の調子が悪くなり健康に異常が出るまでは、それまでの食生活の不合理性になかなか気づかないものです。たいていの人は、病気になって初めて食生活をどう改善したらよいのかを考えるようになります。
食事療法というのは、病気を治すための一手段としての食事であって、たいてい化学療法や外科的療法の補助的な手段となっていますが、高血圧の食事療法は、こういった一般的な食事療法とは違うことを認識しておきましょう。高血圧の治療において、食事療法は主役です。高血圧そのものを解消するためではなく、症状の悪化を防ぐための療法であると考えられます。そして、この食事療法は、一時的に行うのではなく、永久的に行うものであると心得ておかなければいけません。
カロリーと塩分の摂り過ぎに注意
高血圧の人の食事は、カロリーの摂取量が多すぎる傾向にあります。カロリーはエネルギー源となるものなので、ある程度は摂らないと活動できませんが、必要以上に摂るとエネルギー化せずに、体内に蓄積されてしまいます。すると、体重が増え心臓に大きな負担がかかります。量よりも質を考慮した食事にしましょう。もうひとつ大切なのが、食塩の量を制限することです。食塩の主な成分は血圧を上げるナトリウムなので、減塩食にする必要があるのです。